技術・用語

3D映像の活用 その1

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メディカル分野での3D映像

最近では、映画を筆頭にエンターテイメントの世界ではすっかりお馴染みとなっている3D映像技術。数年前から3Dテレビも発売され、ご家庭でも3D映像を楽しんでいるという方もいるのではないでしょうか。実は技術の進歩と共に、医療の現場でも3D映像技術は、欠かせないものとなってきているのです。これまで胃や大腸などの手術の場合、開腹手術といってお腹を大きく切り開いてから内臓にある患部の治療処置を行うというのが一般的でした。しかし、最近では内視鏡を用いた腹腔鏡下手術(内視鏡外科手術)が増えてきています。腹腔鏡下手術は腹部に数か所の穴を開けて、そこからカメラや鉗子と呼ばれる、体内の組織をつまんだり切除したりする道具を挿入して、モニターで体内の映像を見ながら行う手術です。体に大きな傷が残らない分、患者さんへの負担は小さくて済みます。この内視鏡手術に3Dの映像技術が用いられています。腹腔鏡下手術を行う執刀医は、体内を確認する手段はモニターしかありません。しかし、2Dモニターのみを確認していては、内doctors performing brain surgery with microscope臓組織が複雑に入り組んだ体内の奥行が分かりづらく、施術をスムーズにすすめることができない場合があります。そこで、3D映像に対応した内視鏡カメラとモニターを使用することで、執刀医は立体的な体内の映像を見ながら施術を行うことができ、より効率的でミスの少ない安全な手術を行うことができるのです。

 

 

手術ロボット

2010年あたりから日本でも手術ロボットが販売されはじめ、今では200を超える医療施設で運用されています。手術ロボットのメリットは、内視鏡外科手術と同じく低侵襲の手術のため、患者さんへの負担が少ない他、手術をする側の医師にもメリットがあります。その一つが手振れの補正です。手術は、細い鉗子を通して患部の切除や縫合など非常に細かな作業と精密さが要求され、思いもしない小さな手の震えなどの動きが患者さんの体を傷つけてしまう結果となります。手術ロボットは、手ブレを補正すると共に、ミスによる医師の精神的な負担をも軽減する効果があるのです。そして、もう一つのメリットが3Dカメラを用いた患部の立体映像です。もちろんカメラ自体も固定されているため、人の手による映像のブレもありません。遠近感を再現し、よりリアルな立体映像下での手術を3D映像で実現することで、実際の術野を自分の目で見ているかの様な内視鏡手術を可能にしています。

 

教育用

またリアルな術野を映しUR-4MD用手術画像出す3D映像は、若い医師への医療技術を伝える役目も果たしています。実際の手術を現場で見ているかの様な映像を教育の場で使用することによって、縫合など2Dではなかなか理解しづらい作業を若い医師や医学生たちへより分かり易く伝える効果があります。その他にも、学会などの発表の場でも他の医療従事者へ3Dの映像で録画した映像を見せることで、手術の細かな工程を説明することが可能になります。3D映像の録画は、主に教育や学会発表での用途が多いです。よって同時に重要な部分だけを切り出す、編集機能もシステムの機能として求められる事が多いかもしれません。