国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 臨床工学部 様 術野カメラや内視鏡の映像のデータ管理の効率がすごく上がりました。ローコストで院内のPC端末から簡単に参照できるようになりました。

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課題改善

課題
  • ファイルを探す方法が日時しかなく、探すのに時間がかかっていた。
  • モダリティごとに画像形式が異なるため、記録装置を診療科毎、またはモダリティ毎に準備する必要があった。
  • 診療科によっては動画保存に加えて静止画のカルテ保存も必要とされ、それらに対応するには限界があった。
  • NASの容量不足を鑑み手動で圧縮・別媒体への保存が必要であった。
    またフォルダ内のデータが容易に削除・移動されてしまう危険性があった。
改善
  • 既存の電子カルテの端末のWebブラウザを使って、患者IDや日付などで簡単に早く動画を参照・編集・取り出し等ができるようになった。
  • 各モダリティ間で共通した画像ファイリングができるようになった。
  • 術中の静止画についても特別な操作を必要とせず容易にカルテへの貼付が可能となった。
  • 設定した内容に基づいて自動的にNAS容量を確保し、またフォルダや画像データを直接触れなくなったことで安全性の向上と共に手間が大幅に軽減された。

導入していただいた機器

手術動画管理・編集ソフトウェア SURGE ONE v2

手術動画管理・編集ソフトウェア
SURGE ONE v2 >

メディカルビデオレコーダー UR-4MD

メディカルビデオレコーダー
UR-4MD >

導入のきっかけ

手術映像記録システムは高価で、諦めていました。

以前は手術室にあるネットワークに対応したレコーダーを使用して、NASに記録データを送信していました。NASに保存されるのは良かったのですが、NASの容量に対する不安や対策、思わぬ誤操作で容易にファイルが削除・移動されてしまう危険性がありました。また患者属性を持ち合わせていないため必要なデータを探す際に日時からしか探せず時間を要していました。さらにNASへは最大4台のレコーダーからしか受信できずそれ以上の接続が必要な場合は、同一システムの追加投資が必要となります。そのため現在はまだ稼働していない手術室を稼働させる際にはかなりのコストがかかり、将来的な不安がありました。
手術動画の映像記録システムについては以前から数社のメーカーから話を聞いていましたが価格がものすごく高く、費用対効果が得られないと感じ、導入検討をあきらめていました。出入りの販売代理店から、ティアック社のシステムについて紹介を受け、メーカーの営業担当からも説明を聞き施設が抱える課題をローコストで解決できる製品であることがわかり検討することにしました。

導入前の検討事項

クライアントは電子カルテの端末が使えました。

記録した画像データの参照は院内のどこからでも見たいと考えていました。専用の参照端末を置くシステムの場合、見れるところが限られてしまいますし、コストが大きくかかります。
ティアックのシステムはWebブラウザで参照し、またPC端末には追加でソフトウェアを入れる必要がなかったので既設の電子カルテの端末がそのまま使用できました。電子カルテの端末にアプリケーションをインストールする場合、動作確認を各メーカー毎に確認を取る必要があります。それにも多くのコストと時間が発生してしまいますが、それらも必要とせず余計なコストをかけずにすむことが分かりました。

電子カルテ端末(Webブラウザ)

電子カルテ端末(Webブラウザ)

電子カルテ端末(Webブラウザ)

事前のヒアリング、検証

最適なソリューションをコーディネートしてくれました。

手術室のモダリティは多種多様にあります。手術室内のモニタへの出力がどうなるかなど、実際に導入してみないとわからないことも多くあります。また当施設は2018年の新棟をオープンした際に手術室内の映像の配線などはある程度整備しており、それが活用できるかなどティアックは当施設に訪問し、実際のレコーダーを使って映像の確認を行ってくれたことで安心して導入を検討することができました。また手術件数や平均記録時間、自動圧縮までの期間、保存したい期間などから最適な容量のストレージを提案してくれました。 今後の手術室拡張の際にもレコーダーのみの追加投資で済むのでその部分についても安心しています。当施設にあった最適なソリューションをコーディネートしてくれたと思っています。

手術室のUR-4MDとサーバー室のSURGE ONE v2との接続図

導入後の運用

記録後の管理運用の時間が大幅に削減できました。

レコーダーUR-4MDでは記録前に患者のバーコードを読み込み情報登録してから動画記録を行っています。UR-4MDには入力信号が内蔵の小型モニタに映るので安心できます。記録終了とともに自動的にサーバーへ動画データを送信し、数分後には動画が参照できます。
手術室内のレコーダーの操作がより簡単に統一化された事で間違いや録画忘れなどのトラブルもなくなり、我々臨床工学技士や看護師の負担も減りました。
当センターで録画管理を行う手術件数は年間1,500~2,000件程度ですが、後日必要な動画記録を探す際にも患者I Dや診療科、医師名などの検索キーですぐに見つけることが可能となりました。特に手術の記録数の多い診療科では似たような映像が多く、どの患者か特定するまでに時間がかかっていましたが、このシステムを使うことで大幅に時間短縮ができたと感じます。

今後の課題、ティアックへ期待すること

手術室内のレコーダー UR-4MD

手術室内のレコーダー UR-4MD

より効率があがるようにしたいですね。

現在は院内の他のシステムとは連携しておらず、記録後にSURGEONEv2システム上で入力された患者IDをもとに患者情報や診療科、担当医などの手術情報について手動で入力しています。事前に設定したリストから選択して入力するだけなのでそれほど手間ではありませんが、1日の手術件数が多い時はやはり業務負担になっています。
電子カルテ更新のタイミングに合わせて電子カルテからオーダー情報を出力し、それをSURGEONEv2システムで取り込む計画が進んでいます。それが出来るようになるとより多くの情報を自動的に取得でき、記録後の手間がなくなるので更に効率が上がると考えています。
ティアックにはこれからもより使い勝手の良いレコーダーの開発とより使い勝手の良いシステムにアップグレードしてもらい、我々医療現場の業務効率が良くなるようにバックアップしてほしいです。

施設のご紹介

国立長寿医療研究センターは6つめのナショナルセンターとして平成16年に開設され、平成22年に独立行政法人化しました。
独立行政法人化後は、高齢者医療、なかでも認知症、老年症候群にフォーカスして、物忘れセンター、歯科口腔先進医療開発センター、老年学・社会科学研究センター、長寿医療情報センター、治験・臨床試験推進センター、長寿医療研修センター、健康長寿支援ロボット研究センター、認知症先進医療開発センター、メディカルゲノムセンターなどセンター内センターを整備し、センター間の連携をとりながら、国立長寿医療研究センターのミッションに沿った研究活動を展開してまいりました。
平成27年には国立研究開発法人となり、より研究開発に重点を置きながらセンターの運営を行うとともに、新たにロコモフレイルセンター、感覚器センターを整備し、高齢者の加齢に伴う心身の変化に適切に対応できる体制を構築するとともにその対策に必要な研究も行う体制が整っています。

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
〒474-8511 愛知県大府市森岡町7-430
病床数:301床
ncgg.go.jp

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 森健児 様(臨床工学部 医療機器安全管理責任者)

ご担当いただいた 森健児 様
(臨床工学部 医療機器安全管理責任者)

ご担当いただいた 森健児 様
(臨床工学部 医療機器安全管理責任者)